- カーポート選びで失敗したくない
- カーポートを選ぶ際に知っておいた方がよいことってあるの?
- 実際に家を建てた人の感想を知りたい
新築時にどのようなカーポートを選択するかは、実は住む地域や設置場所などによって異なります。
しかし、初めての家づくりでよく分からずに、単純に駐車台数やデザイン性だけで、選んでしまうと後悔につながる可能性があります。
この記事では、新築のカーポートに関する【よくある後悔・失敗】について解説いたします。
他の人の後悔や失敗を避けることで、満足度の高いカーポート選びができるので、ぜひ参考にしてみてください。
大きなサイズにしておけばよかった
カーポートを大きなサイズにしておけばよかったという後悔は、実はカーポートに関するよくある後悔のひとつです。カーポートが小さいと、駐車しづらくなったり、車への乗り降りがしづらくなってしまいます。
また、後々大きな車に乗り換える際も、小さなカーポートだと不便さを感じる原因となってしまいます。
カーポートのサイズの決め方:事前準備編
まずは、駐車場の広さや形状を確認しておきましょう。
駐車場の広さや形状によっては、設置できるカーポートの広さやタイプ(縦連棟・横連棟)に制限が発生してします。
次にカーポート内に駐車予定の車の台数を確認します。
将来的に台数を増やす予定がある場合は、それを見越して検討しておきましょう。
次に車のカーポート内に駐車予定の車のサイズを確認します。
将来的に車を買い替える予定がある場合は、大きなサイズの車を基準に検討しておきましょう。
タイプ | 縦 | 横 | 高さ | 車種例 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 3.4m | 1.5m | 1.8m | NBOX タント等 |
小型乗用車 | 4.0m | 1.7m | 1.6m | ライズ ヤリス等 |
普通車 (SUV) | 4.7m | 1.9m | 1.7m | ハリアー CX5等 |
普通車 (セダン) | 5.0m | 1.9m | 1.6m | クラウン カローラ等 |
普通車 (ワンボックス) | 4.8m | 1.7m | 1.9m | ノア セレナ等 |
カーポートの下に置きたいものは車だけとは限りません。
自転車や倉庫などの設置の有無についても確認しておきましょう。
カーポートのサイズの決め方:サイズの決め方編
カーポートに必要な幅について
カーポートの幅を検討するには以下の式に当てはめて計算するのがオススメです。
カーポートの幅=(車幅+1.2m)×台数
1.2mという長さは、大人が一人通れる幅として必要な60㎝を車の両サイドに確保しようとした時に必要となる幅です。
小型乗用車1台の例
(1.7m[小型乗用車の幅]+1.2m)×1=2.9m
1台置きカーポートの規格としては2.4m→2.5m→2.7m→3.0m幅のラインナップが一般的なので、小型乗用車の駐車を予定している場合、余裕のある3.0mを選ぶのがオススメです。
軽自動車とワンボックスの例
(1.5m[軽自動車の幅]+1.2m)×1+(1.7m[ワンボックスの幅]+1.2m)×1=5.6m
横2台置きカーポートの規格としては4.8m→5.1m→5.4m→6.0mの幅のラインナップが一般的なので、軽自動車とワンボックスの駐車を予定している場合、余裕のある6.0mを選ぶのがオススメです。
カーポートに必要な高さについて
カーポートの「高さ」とは一般的に、地面から出た柱と交わる桁の最も低い部分までのことを指します。
カーポートの高さは車高プラス30㎝~50㎝のものを選ぶのがオススメです。高さは2.2m→2.5m→2.8mの規格が一般的なので、車高プラス30㎝~50㎝を目安に選択するようにしましょう。
タイプ | 車高 | 車高 +30㎝ ~50㎝ | オススメの の高さ | 車種例 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 1.8m | 2.1~ 2.3m | 2.2m | NBOX タント等 |
小型乗用車 | 1.6m | 1.9~ 2.1m | 2.2m | ライズ ヤリス等 |
普通車 (SUV) | 1.7m | 2.0~ 2.2m | 2.2m | ハリアー CX5等 |
普通車 (セダン) | 1.6m | 1.9~ 2.1m | 2.2m | クラウン カローラ等 |
普通車 (ワンボックス) | 1.9m | 2.2~ 2.4m | 2.5m | ノア セレナ等 |
駐車場部分の路面に急勾配をつける場合は、ご注意ください。
特に後方支持タイプのカーポートをつける場合は、車高の高い車を駐車しようとした時に車の後ろ部分がぶつかってしまう可能性があります。
駐車場部分の路面に急勾配をつける場合で、後方支持タイプのカーポートをつける場合は、高さに余裕のある2.5mのタイプがオススメです。また、車の装備品(ルーフキャリアなど)の有無についても考慮するようにしましょう。
カーポートに必要な奥行きについて
カーポートの奥行きを検討するには以下の式に当てはめて計算するのがオススメです。
カーポートの奥行き=(車の縦の長さ+0.6m)×台数
0.6mという長さは、大人が一人通れる幅を確保しようとした時に必要となる幅です。
一般的なカーポートは車1台分の奥行きで済む「1台用タイプ」「横連棟タイプ」と車2台分の奥行きが必要となる縦長の「縦連棟タイプ」に分かれるため、それぞれのタイプに合った奥行きを検討する必要があります。
「1台用タイプ」「横連棟タイプ」の例
小型乗用車の場合
(4.0m[小型乗用車の縦の長さ]+0.6m)×1=4.6m
ワンボックスの場合
(4.8m[ワンボックスの縦の長さ]+0.6m)×1=5.4m
縦1台置きのカーポートの規格としては奥行き5.0m→5.5m→5.7mのラインナップが一般的です。
小型乗用車の駐車を予定している場合は奥行き5.0mを選ぶのがオススメで、ワンボックスの駐車を予定している場合は少し余裕のある5.5mのサイズを選ぶのがオススメです。
「縦連棟タイプ」の例
軽自動車とワンボックスの場合
(3.4m[軽自動車の縦の長さ]+0.6m)×1+(4.8m[ワンボックスの縦の長さ]+0.6m)×1=9.4m
普通車とワンボックスの場合
(4.7m[普通車の縦の長さ]+0.6m)×1+(4.8m[ワンボックスの縦の長さ]+0.6m)×1=10.7m
縦連棟タイプの規格としては奥行き8.6→10.0m→11.4→11.5mのラインナップが一般的です。
軽自動車とワンボックスの駐車を予定している場合は、奥行きの10.0mを選ぶのがオススメで、普通車とワンボックスの駐車を予定している場合は、少し余裕のある奥行き11.4m以上のサイズを選ぶのがオススメです。
柱が邪魔で、駐車や乗り降りがしづらくなった
カーポートの設置には必ず「柱」が必要となります。運転が苦手な方にとって、カーポートの柱は駐車の障害となってしまいます。
また、車へ乗り降りする際も、ドア側に柱があるとドアが開閉しづらくなるため、乗り降りの際にストレスに感じてしまう可能性があります。
対策方法
- カーポートを広くする
- 後方支持タイプを選択する
対処法①カーポートを広くする
カーポートの柱の影響が気になる場合は、カーポートの横幅を広めのものにすることで影響を少なくすることができます。
基本的には車両の横幅プラス60㎝とることをオススメしていますが、駐車が苦手な方や車への乗り降りが難しい場合には1m程度の余裕幅をとることで、格段に使い勝手が良くなります。
サイズを大きくすると増額になっていくので、差額をみながら検討してくださいね。
対処法②後方支持タイプを選択する
柱がどうしても気になる方には、後方支持タイプのカーポートがオススメです。
後方支持タイプとは柱がカーポートの後方についているタイプで、側面に柱がないため、駐車や乗り降りがスムーズにできます。
利便性の高い後方支持タイプですが、「片側支持タイプ」や「両側支持タイプ」の大きさを大きくする方が安価に済むケースの方が多いです。
敷地の制限の有無や予算と相談しながら決めるようにしましょう。
雪や風の影響で破損してしまった
カーポートはその形状から雪や風の影響を受けやすく、耐久性以上の負荷がかかった場合は、破損してしまうことがあります。
通常のメーカーの保証期間は1年~2年と意外と短いため、保証期間が過ぎてしまうと業者に依頼して修理する必要があり、思わぬ出費に後悔してしまうかもしれません。
対処法①耐積雪カーポートを検討する
一般的タイプのカーポートの場合、約20㎝の積雪に耐えられるように設計されています。20cmを越えるような積雪がある場合は、早めに雪下ろしをする必要があります。
積雪量の多い地域でカーポートを使用する場合は、「耐積雪カーポート」がオススメです。
耐積雪カーポートは、耐積雪量が50・100・150・200cmのタイプがあり、住んでいる地域の積雪量に応じて選ぶことが重要です。
自分の住んでいる地域の積雪量を確認したい場合は、特定行政庁(各都道府県市町村)が定めている「垂直積雪量」を参考にするのがオススメです。
垂直積雪量については、全国 423 地点の気象官署において収集された過去15~68年間分の積雪深のデータから、各地域(市町村域)において50年再現期待値の積雪量を想定し、
・区域の標準的な標高
・区域の一定範囲に占める海域等の面積の占める割合
に応じて国土交通大臣が定める方法により算定
「建築予定地域名_垂直積雪量」で検索してみてください。
対処法②耐風圧強度の高いカーポートを検討する
風に対する耐久性を表す数値として、「耐風圧強度」という言葉があります。耐風圧強度とは、カーポートが耐えられる最大の平均風速のことです。
最大平均風速とは、10分間の平均風速の最大値のことを指し、瞬間最大風速は3秒間の平均風速の最大値を指すため、基本的に、瞬間最大風速>最大平均風速となります。
要するに瞬間的な突風については、考慮していないということですね。
一般的なカーポートの耐風圧強度は38m/秒で、平均風速38m/秒までは耐えられる設計となっています。
ちなみに平均風速38m/秒がどの程度の風かというと、気象庁では「多くの木々が倒れる」「外壁材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある」程度の猛烈な風と表現されています。
風速分布図を確認すると、多くの地域が一般的なカーポートの耐風圧強度(38m/秒)以下で適応可能なことが分ります。
しかし、一部地域では台風の影響などにより、風の影響を受けやすい地域もあるため、建築予定地域の風の状況を確認し、適切な耐風圧強度のカーポートを選択するようにしましょう。
より詳細に確認したい場合は気象庁のHPより過去のデータが確認できますので、確認してみてくださいね。
室内の日当たりが悪くなった
カーポートの設置場所によっては、室内の日当たりに影響してしまう場合があります。
注意が必要なケース
- 玄関に隣接して設置する場合
- リビングの近くに設置する場合
- 隣家の住宅の近くに設置する場合
玄関に隣接して設置する場合の対処法
「玄関とカーポートをつなぐ配置で設置して、玄関が暗くなってしまった」という事例は、よくある事例のひとつです。
カーポートは生活動線を考慮し、玄関付近に設置することが多く、「車に乗り降りする際に、雨に濡れないようにしたい」と玄関とカーポートをつなぐ配置で設置すると、玄関が暗くなってしまうことがあります。
玄関とカーポートをつなぐ配置で設置する場合は、カーポートの屋根部分を透過率の高いものを選んだり、玄関の天井付近(カーポートより高い位置)に明り取りの窓を設置するなどの対策が必要になります。
リビングの近くに設置する場合の対処法
カーポートのせいで、リビングが暗くなってしまうと、家づくりの中でも大きな後悔のひとつとなってしまいます。
リビングへの日当たりが悪いと、冬の期間中寒い空間になってしまいますし、湿度が高くなり、カビが発生しやすくなってしまいます。
リビング側から見た景観もあまり良くはありません。
間取りを検討する際には、リビングの真横(メインの窓側)にカーポートや駐車場がくるような配置にならないように間取りを計画するのがオススメです。
間取りのシミュレーションに関する参考記事↓↓
隣家の住宅の近くに設置する場合の対処法
日当たりを注意しないといけないのは、自分の家だけではありません。隣家の敷地付近にカーポートを設置する場合も、敷地や住宅への日当たりが悪くならないように注意する必要があります。
隣家が庭だから大丈夫だろうと思っていると、「植物の育ちが悪くなった」「洗濯物が干せなくなった」などのトラブルにつながる可能性もあるので、隣地の敷地付近に設置する場合は注意が必要です。
最悪の場合、カーポートの撤去を隣家から依頼される可能性もあります。
一般的なカーポートは建築基準法の対象となり、建築物と隣地境界線との距離は50cm以上離すことが定められています。
「法律に基づいて50㎝離しているから大丈夫だろう」と思っていると、トラブルの原因となる可能性があるので、注意しましょう。
隣家近くにカーポートの設置を予定している場合は、事前に隣家の住人に説明し、トラブルを予防しておくことがオススメです。
カーポートをつけたのに車が汚れる
カーポートは上からの紫外線や雨や雪から車を守ってくれますが、横から飛んできた花粉や黄砂などは防ぐことができないため、思っていた以上に車が汚れてしまい後悔してしまうかもしれません。
横からの汚れを遮断しようとすると、ガレージのような3方向を壁で囲った車庫に駐車せざるを得ません。その場合、今度は固定資産税の課税対象となってしまう可能性が高くなるため、注意が必要です。
どうしても横からの汚れが気になる場合は「サイドパネル」のオプションを検討するのがオススメです。
側面にパネルを取り付けることで、横からの汚れを予防することができます。
目隠し効果もあるので、上手く活用できると一石二鳥です。
サイドパネルのオプション価格はカタログ価格で約10万~20万円程度です。カーポートのオプションとしては高額なものなので、実際に設置を検討する場合は、事前に見積りをとって検討するようにしましょう。
カーポートの雪や雨水が隣家の敷地に入ってしまった
カーポートを隣家近くに設置した場合、降り積もった雪や雨水が隣家の敷地内に入り込みトラブルを引き起こす原因となってしまうことがあります。
トラブルの例
- 積もった雪が隣の家に落ち、敷地内の物を破損させてしまった
- 積もった雪が隣の家に落ち、植物を潰してしまった
- 豪雨時の雨水が隣の敷地内に滝のようになって流れ込んでしまった
水分を多く含んだ雪はとても重たく、落ちた雪により、隣の家の物を破損させたり、植物を潰してしまうトラブルを起こしてしまうことがあります。
また、通常時の雨はうまく排水できていても、瞬間的に大量に降雨があった際に、雨水が隣の敷地内に流れ込んでしまうこともあります。
カーポートを設置する際は「屋根の勾配の向き」にご注意ください。
これらのトラブルは屋根の勾配を隣地側に下げる形でカーポートを設置したために起こるトラブルのため、屋根の勾配を自分の敷地側を下げるように設置することで、予防することができます。
敷地の形状によっては、どうしても隣地側にカーポートの支柱が来るケースがあります。そのような場合は、「逆勾配のカーポート」がオススメです。
通常のカーポートは支柱から離れる程、屋根が高くなる形状ですが、逆勾配のカーポートは支柱から離れる程、屋根が低くなる形状となっています。
カーポートと隣地との距離や屋根の勾配の向きに注意し、雪や雨水が隣家の敷地に入ってしまわないように設置場所や設置するカーポートを選択することが重要です。
屋根の掃除や雪下ろしが大変だった
カーポートの維持管理として、定期的な屋根の掃除と積雪時の雪下ろしがあります。
どちらも基本的には屋根部分の作業となり、脚立に乗って行うため、手間と労力がかかり、つけたことを後悔してしまうかもしれません。
カーポートの掃除方法について
汚れたカーポートは、屋根部分を長いブラシなどでこすって掃除したり、雨どいに溜まった葉っぱやコケを取り除く必要があります。
カーポートの屋根部分は人が乗ることができないため、手の届かない範囲は、長い持ち手のブラシなどで汚れを落とさなければなりません。
カーポートの掃除はプロに依頼することも可能なので、手間や安全面に不安がある場合は活用を検討してみましょう。
カーポートの雪下ろしについて
雪下ろしは耐久性以上の積雪の見込みがある時に行わなければなりません。寒い中での雪下ろし作業は体への負担も大きく、転倒するなどの怪我のリスクもあります。
金属性のスコップなどで雪下ろしをしているとカーポートを傷つけてしまい、破損の原因となってしまう可能性があるので、注意しましょう。
雪下ろしには、雪下ろし専用の「雪下ろし棒」を使うのがオススメです。
雪下ろし専用の道具なので、効率よく雪下ろし作業ができ、ムダな体力を消費せずに済みます。
ソーラーカーポートにしたらよかった・しなければよかった
ソーラーカーポートとは天井部分に太陽光パネルを載せたカーポートで、カーポートの天井スペースを有効活用することができます。
しかし、カーポートに太陽光パネルを載せる場合、設置面積が小さくなることが多く、元をとれなくなるケースもあり、慎重に比較、検討する必要があります。
特に太陽光発電で元をとりたいなら、初期費用をいかに抑えられるかが鍵となります。
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まとめ:みんなの後悔を活かして、理想的な新築を手に入れよう
カーポートは大切な車を直射日光から守ってくれるだけでなく、雨天時の車への 乗り降りをスムーズにしてくれる大切な設備のひとつです。
ですが、最適なカーポートのサイズや設置位置などを検討するのは難しく、後悔や失敗につながりやすい設備でもあります。
後悔のないカーポート選びをするには、既に新築を建てた人の後悔ポイントを自分の家づくりに活かすのがオススメです。
「みんなの後悔」を家づくりに活かして、理想の家づくりに役立ててみてください。
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