・新築の窓選びで迷っている
・FIX窓のメリットやデメリットについて知りたい
・FIX窓ってどんな場所につけるの?
新築建築時に検討しないといけない「窓」
窓には多くの種類がありますが、中でもFIX窓は開け閉めできない窓として、他の窓と設置目的が異なる部分があります。
この記事では、新築建築時に知っておきたいFIX窓の特徴やメリット・デメリット、オススメの採用場所やわが家の採用場所と感想について紹介いたします。
FIX窓を有効に活用することで、コストを抑えつつ快適な居住空間にすることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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FIX窓とは、開け閉めのできない窓のこと
FIXという言葉には「固定する」「取り付ける」といった意味があり、FIX窓は換気を目的としない開け閉めのできない窓のことのことを指します。
また、FIX窓は「はめ殺し窓」とも呼ばれ、採光目的以外にも、デザイン目的で採用されることもあります。
現在は丸型や台形型など様々な形状のFIX窓がメーカーから販売されており、店舗や一般住宅でも広く使用されています。
FIX窓の6つのメリット
FIX窓は開閉式の窓と比較した場合、構造上の違いから以下の6つのメリットがあります。
メリット①FIX窓は掃除が簡単
FIX窓は他の窓と比べると開閉するためのハンドルや網戸がありません。
そのため、窓まわりがスッキリしていて、掃除が簡単です。
窓1枚の掃除にかかる時間(室内側)を計測してみました。
その結果、縦すべり出し窓が3分31秒、FIX窓は25秒でしたので、FIX窓の方が8分の1の時間で掃除が完了できました。
網戸があると、取り外しや掃除に時間が掛かってしまいます。
FIX窓を活用することで、窓掃除の負担を軽減することができます。
メリット②FIX窓の使用で気密性が高まる
FIX窓は開閉しない窓なので開閉に必要な部材がついていません。
そのため、他の開閉式の窓と比べ気密性に優れています。
開閉式の窓にあるパッキン部分が、FIX窓には無いため、劣化による気密性の低下に関しても、開閉式の窓と比べると優れています。
メリット③FIX窓の使用で開放感を感じられる
FIX窓は開閉式の窓よりサッシの部分の面積が狭いので、ガラス面を大きくとることができます。
また、引き違い窓のように2枚の窓で構成する窓とは違い、FIX窓は1枚の窓で構成するため、同じ面積でも他の種類の窓よりも開放感を演出することができます。
リビングや吹き抜けの窓などに採用すると、開放感を感じられます。
メリット④FIX窓の使用でデザイン性が向上する
FIX窓はサッシ部分が少ないので、外から見た時にスッキリとした外観となります。
そのため、採光以外にもデザイン性を向上させる目的で使用されることもあります。
例えば
- 小さなFIX窓を規則的に配置する
- 丸形のFIX窓設置する
- 縦や横に細長いFIX窓を複数配置する
FIX窓を活用することで、殺風景な家の外観をアレンジすることができます。
メリット⑤FIX窓の使用でコストカットできる
FIX窓は構造がシンプルなため、同じサイズの窓と比べて、価格が2分の1から3分の1と安価です。
商品 | セット価格 (A+B) | 窓価格 (A) | 網戸価格 (B) |
---|---|---|---|
FIX窓 | 18,500円 | 18,500円 | ー |
たて すべり出し窓 | 55,300円 | 47,700円 | 7,600円 |
片上げ下げ窓 | 58,800円 | 50,900円 | 7,900円 |
高所用 すべり出し窓 | 87,900円 | 79,900円 | 8,000円 |
※高さ970幅405YKKAP エピソードⅡ積算発注設計資料カタログ価格で比較
窓1つあたりの差額は数万円でも、複数個になると大きな金額となります。
FIX窓に変更しても問題ないような場所がないか、ぜひ見直してみましょう。
網戸が不要なので、張り替えの維持費がかからない点も魅力です。
メリット⑥FIX窓は戸締まり不要
FIX窓は開閉できない窓なので、うっかり鍵をかけ忘れるといった心配がいりません。
警視庁の発表データによると、空き巣の侵入口としては窓が最も多いそうです。
鍵を閉め忘れた窓からの侵入件数が、全体の2番目に多い侵入パターンとなっています。
防犯性を高めるという観点からも、FIX窓の採用にはメリットがあります。
FIX窓の4つのデメリット
デメリット①換気ができない
FIX窓は開閉ができないため、換気ができません。
窓を決める段階で、「この窓は開閉することは絶対にない」と思っていても、いざ住み始めるとその想定が外れてしまうこともあるかもしれません。
どの窓で換気するか検討してから採用するようにしましょう。
デメリット②窓の外側は室内から掃除できない
FIX窓は開閉できないため、窓の外側は室内から掃除できません。
2階にFIX窓を採用した場合、外側は掃除できなくなったり、屋根の上に登っての掃除するようになります。
周りに川や田んぼなどがあってコケが生えやすい等、窓が汚れやすいような場所の場合、注意が必要です。
デメリット③手の届かないところにつけると、掃除が大変になる
FIX窓を採光のために高い位置に設置するケースはよくありますが、手の届かないところにつけた窓は、掃除が一苦労です。
長い棒状の掃除用具を使って掃除するか、はしごなどを使って掃除する必要があります。
後々のメンテナンスのことも考えて、採用を検討しましょう。
デメリット④大きなFIX窓は断熱性を低下させる
ガラス面を広くとることができるFIX窓ですが、大きすぎる窓は外気の影響を受けやすく、家の断熱性を低下させてしまいます。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調査によると、室内の暑さの原因の約7割、寒さの原因の約6割は窓にあると解説されています。
必要以上に窓の面積を大きくしすぎないことで、断熱性が高まりエアコン代などの光熱費を低く抑えることができます。
開放感や外観ばかりを意識して、FIX窓を広い面積に設置すると、断熱性能やコスト面に影響してくるので、慎重に検討するようにしましょう。
窓自体は必要最低限にしておくのがオススメです。
FIX窓のオススメ採用場所
FIX窓の設置場所としてオススメなのは、換気の必要はないが、採光したい場所です。
例えば
- 吹き抜けの上部の窓
- 畳スペースの足元の窓
- 玄関の小窓
- トイレの窓(換気扇ありの場合)
- 浴室の窓
FIX窓は開閉できない点が大きな特徴なので、他の方法で換気はできるが、明るい空間にしたい場所に採用を検討しましょう。
新築の窓に関する後悔については別記事で紹介しています↓↓
実際にFIX窓を採用した場所についての解説
わが家が実際に採用した場所を紹介します。
- リビングの一部の窓
- 階段の吹き抜け上部
採用した場所①リビングの一部の窓
リビングの2か所の窓に型板ガラスのFIX窓を採用しました。
- 意識したことは?
-
リビング全体として換気できる窓の配置になっているか。
その上で、開閉する必要のない場所はFIX窓にしました。
- 3年以上住んでみて、どうだった?
-
他の窓で換気できるし、FIX窓は掃除しやすく、快適に過ごせています。
採用した場所②階段の吹き抜け上部
階段の吹き抜け上部の窓に型板ガラスのFIX窓を採用しました。
- 意識したことは?
-
こちらは吹き抜けになっているので、「開閉することはない」と思い、FIX窓にしました。
窓の向こう側に道があるので、外から室内が見えないように不透明なガラスにしました。
- 3年以上住んでみて、結果どうだった?
-
吹き抜けの上なので、手が届かなくて、掃除が少し大変でした。
不透明なガラスにしたことで、外側の水アカが室内から見ても気にならないのは良かったです。
ここに窓がないと階段や廊下が暗くなるし、手が届かないのは仕方がないことかと納得しています。
まとめ:FIX窓は換気の必要はないが、採光したい場所に採用すると◎
住宅には採光や換気のために窓が不可欠ですが、窓には家の断熱性を低下させてしまうという面もあります。
新築の窓を計画する際にFIX窓を活用することで、気密性の向上、コストカットなど様々なメリットを活かし、快適な居住空間にすることができます。
換気の必要性について確認しつつ、最適な場所にFIX窓をぜひ採用してみてください。
新築の窓選びで失敗したくない方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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