- 型板ガラスって、どんなガラスなの?
- 型板ガラスを採用するメリット・デメリットが知りたい
- 型板ガラスって、どこに採用すれば良いの?
新築の建築時に検討しないといけない「窓ガラス」
住宅で採用する窓ガラスの種類としては、透明なフロートガラスと不透明な型板ガラスが一般的です。
しかし、型板ガラスの採用場所については、型板ガラスの特徴を理解した上で、選択する必要があります。
この記事では、新築建築時に知っておきたい型板ガラスを採用するメリット・デメリットとオススメの採用場所について、解説します。
型板ガラスを最適な場所に採用することで、プライバシーの守られた住み心地の良い住宅にすることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
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型板ガラスの特徴と種類について
【型板ガラスの特徴】片面がデコボコしていて不透明なガラス
型板ガラスとはガラスの片面にデコボコした模様をつけたガラスで、光は通しながらも外からの視線を遮ることができるという特性を持っています。
型板ガラス以外にも型ガラスと呼ばれることもあり、不透明な窓ガラスとして、店舗や住宅などに多く使用されています。
ちなみに、すりガラスと型板ガラスは間違われがちですが、全くの別物です。
すりガラスとは、透明なガラスの片面にかなり細かな凹凸をつけて、不透明に加工したガラスで、水に濡れると透明になる、汚れが付着しやすいといった性質が特徴です。
割れやすかったり、濡れた時に中が透けたりするので、すりガラスは窓ガラスには不向きなガラスです。
【型板ガラスの種類】代表的な柄は霞柄(カスミガラ)と梨地柄(ナシジガラ)
型板ガラスの種類は柄と厚みの違いによって、霞柄と梨地柄の2種類に分かれます。
型板ガラスの種類①霞柄(カスミガラ)
型板ガラスの中で最も一般的な柄が「霞柄」です。
凹凸は大きく、ガラスの厚みは4ミリか6ミリで、うっすら反対側が分かる程度の不透明感です。
型板ガラスの種類②梨地柄(ナシジガラ)
「梨地柄」の型板ガラスは昭和頃から室内用のガラス障子やドアガラスとして、使用されてきました。
凹凸は細かく、ガラスの厚みは2ミリと薄く、霞柄の型板ガラスより不透明な柄です。
型板ガラスのメリットとデメリット5選
型板ガラスの3つのメリット
型板ガラスの3つのメリット
メリット①視線を適度に遮ることができる
型板ガラスは表面のデコボコにより、光が拡散されることで外からの視線を適度に遮ることができます。
窓から約2m離れた程度で、体のシルエットがうっすら分かる程度で、窓からかなり近くにいても、外の人と目が合うということはありません。
ちなみにレースカーテンを閉めると、ほぼ完ぺきに中の様子が見えない状況になります。
メリット② 視線を遮りながらも、光を取り入れられる
型板ガラスを採用することで視線を遮りながらも、カーテンを閉める前と同程度の光を取り入れることができます。
室内に光をとり入れるガラスの性能を示す数値に「可視光線透過率」という数値があります。
型板ガラスと透明なフロートガラスとの可視光線透過率には大きな差がなく、十分に室内に光をとり入れることが可能です。
メリット③ 外側の汚れが目立ちづらい
透明なフロートガラスを採用した窓の場合、外側のガラス面の汚れが室内側から透けて見えてしまいます。
しかし、型板ガラスの場合は表面のデコボコにより、光が拡散されることによって、水滴の跡などの外側の汚れが目立ちづらくなります。
寒い冬の窓掃除は大変なので、少しでも掃除の頻度が少なくなるのは型板ガラスのメリットのひとつです。
ちなみに、一般的な住宅で使用される複層ガラスの場合、室外側のガラスの内面がデコボコしているため、掃除の手間は透明なガラスとほとんど変わりません。
型板ガラスの2つのデメリット
型板ガラスの2つのデメリット
デメリット① 室内から外の様子が見えない
窓には採光や換気以外に室内と外の環境をつなぐ役割があります。
透明なガラスの場合、室内から外の様子が確認できますが、型板ガラスを採用した場合、その窓からは外の様子がほとんど見えなくなります。
室内から確認できると便利なこと
- 天気の状況
- 積雪の状況
- 車の窓ガラスの凍結の状況
- 子どもの遊んでいる様子
日常的に外の様子を確認するような場所には透明なガラスの採用がオススメです。
わが家の場合は階段の窓ガラスを透明なガラスにしています。
朝、2階の寝室からリビングに降りる際に、外の様子を確認できるようにしました。
デメリット②透明なガラスと比べると少しだけ暗い印象になる
型板ガラスは日光がガラスのデコボコに反射して入るため、直接的に日光が入る透明なガラスと比べ、少し暗い印象になります。
ただし、室内に光をとり入れるガラスの性能を示す「可視光線透過率」については数値上ほとんど差がないため、体感として優しいマイルドな光が入ってくるような印象です。
型板ガラスのオススメ採用場所5選!
型板ガラスの採用を検討する場所は、「採光や換気をしながらも、プライバシーを守りたい場所」です。
オススメの採用場所
- 浴室内の窓
- 脱衣所の窓
- トイレの窓
- 玄関の窓
- 道路や隣の家に面している窓
特に1階につける窓には注意が必要です。
浴室内の窓
浴室内は非常にプライベートな空間なため、窓ガラスは型板ガラスにするのがオススメです。
リラックス効果や開放感を求めて浴室内の窓を透明なガラスにしてしまうと、人の目線が気になり、後悔してしまう可能があります。
脱衣所の窓
脱衣所の窓も浴室内と同様に非常にプライベートな空間なため、窓ガラスは型板ガラスにするのがオススメです。
脱衣所内では身支度時や入浴前、入浴後に着替えを行います。
着替えの際に窓ガラスが透明なガラスだと、落ち着いて着替えができません。
精神的にも安心して着替えができるので、脱衣所内の窓ガラスは型板ガラスがオススメです。
トイレの窓
トイレも非常にプライベートな空間なため、窓ガラスは型板ガラスがオススメです。
トイレは家族のみでなく、来客も利用します。
全ての人が落ち着いてトイレを利用できるためにも、トイレの窓ガラスは型板ガラスがオススメです。
玄関の窓
玄関の換気や明かりとりのためにつける窓についても、型板ガラスがオススメです。
玄関には家族以外にも荷物の配送業者や訪問販売の営業の方など様々な人が訪れます。
玄関の窓ガラスを透明なガラスにしてしまうと、玄関の様子が外から見えてしまい、在宅中なのか不在なのかが分ってしまいます。
防犯という面からも、玄関の窓ガラスは型板ガラスがオススメです。
道路や隣の家に面している窓
特定の間取りの窓ではありませんが、道路や隣の家に面している窓の窓ガラスも型板ガラスがオススメです。
生活をしている中で道路を通行する人や隣りの家の人と目が合うような環境は快適な空間とは言えません。
今は家が建っていなくても、将来的に家が建つ可能性が高い場所に関しても、型板ガラスにしておくのがオススメです。
【実例紹介】わが家の型板ガラス採用場所
1階の窓ガラスは型板ガラスが中心
1階の窓は、型板ガラスを中心に採用しました。
リビングのメインの引き戸は隣の家まで約10m離れていたので、透明なガラスを採用しています。
外からの目線に悩まされることなく、快適に生活することができています。
2階の窓ガラスは透明なガラスが中心
2階はの窓は外の人と目線が合うことがないので、透明な窓ガラス中心となっています。
そのような中、階段の吹き抜けの窓には型板ガラスを採用しました。
この窓に型板ガラスを採用した2つの理由
- 外の上の方に道があり、視線が気になるから
- 吹き抜けの窓で、カーテンを付けられないから
カーテンを付けられないような場所には、型板ガラスがオススメです。
型板ガラスにしておけば良かった窓
2階の子ども部屋の窓ですが、向かい側には実家の窓があり、目線が合う可能性があるので、ここは型板ガラスにしておけば良かったです。
窓ガラスを検討していた時は、実家だし大丈夫だろうと考えていました。
ですが、子どもが思春期になったときのことを考えると、型板ガラスにしておけば良かったと今では思います。
お隣さんと目線が合う可能性がある窓は、型板ガラスにすることをオススメします。
まとめ:型板ガラスは採光や換気をしながらも、プライバシーを守りたい場所に採用すると◎
型板ガラスはプライバシーを守ってくれて、安心して暮らすために重要なガラスです。
通行人など家の外側にいる人と目が合う可能性がある箇所には、型板ガラスを選ぶなど目線対策を忘れずに行うようにしましょう。
新築の窓選びで後悔したくない方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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