- 新築時の扉選びで失敗、後悔したくない
- 引き戸と開き戸の特徴を知りたい
- 扉を選ぶ際に注意すべきことは?
新築建築時に検討が必要となる「扉選び」
引き戸や開き戸にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、きちんと特徴を理解した上で、場所に応じた最適な扉を選択することが重要です。
この記事では、引き戸と開き戸のメリット・デメリットと室内扉の選び方について、解説していきます。
誰でも間違いなく扉の選びができるように、フロー図を使ってわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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引き戸・開き戸の種類と特徴
引き戸の種類と特徴
引き戸とは溝やレールの上を滑らせて、開閉する扉のことです。
戸の枚数や可動方法の違いにより、片引き戸・引違い戸・引き分け戸・引き込み戸といった種類に分けられます。
引き戸の種類 | 特徴 |
---|---|
片引き戸 | 戸を左右どちらかにスライドさせて開閉する扉 最も一般的に利用されている引き戸。 |
引違い戸 | 複数枚の戸のどちらもスライドさせられる扉 扉を外すことで大きな荷物の搬入が可能。 |
引き分け戸 | 複数枚の戸をスライドさせて左右の壁に収納する扉 扉の開閉により様々な空間利用ができる。 |
引き込み戸 | 戸を壁と壁の間に収納する扉 スッキリとした空間を演出できる。 両側の壁面が利用できる。 |
さらに引き戸は固定方法の違いにより、レールタイプと上吊りタイプに分かれます。
レールタイプは床下に引き戸をスライドするためのレールがあるタイプで、上吊りタイプは天井や壁面の上部にレールを取り付けるタイプの引き戸です。
掃除の手間や段差のつまずきやすさなどから上吊りタイプがオススメです。
開き戸の種類と特徴
開き戸とは蝶番などの留め具を軸にして、ドアが半円を描いて開閉する扉のことです。
戸の枚数の違いにより、片開き戸・両開き戸といった種類に分けられます。
開き戸の種類 | 特徴 |
---|---|
片開き戸 | 左右どちらか一方に開閉する扉 最も一般的に利用されている開き戸。 |
両開き戸 | 2枚の戸がそれぞれ左右に開閉する扉 間口が広く、主に収納の扉として利用される。 |
引き戸のメリットとデメリット
引き戸 メリット | デメリット | 引き戸
---|---|
戸の前後にスペースを必要としない 戸がゆっくりと静かに閉まる 半開きで開けておくことができる 間取りを柔軟に使用できる | 戸を収めるスペースが必要 戸を収めるスペースの壁面は利用できない 開き戸と比べて高価 引き込戸は掃除しづらい |
引き戸のメリット
引き戸のメリット①戸の前後にスペースを必要としない
引き戸の場合、戸を横にスライドさせて開閉するため、戸の前後にスペースがなくても、開閉することができます。
そのため、扉同士がぶつかってしまうという心配もなく、扉を開閉する際にストレスなく開閉することができます。
引き戸のメリット②戸がゆっくりと静かに閉まる
最近の引き戸にはソフトクローズ機能という、扉を強く閉めても自動的に静かにゆっくり閉まってくれる機能が標準機能としてついています。
ソフトクローズ機能がついていることで、子どもが扉に指をはさんだり、強く扉を閉める心配がなく、安心して過ごすことができます。
引き戸のメリット③半開きで開けておくことができる
引き戸は、風の影響を受けて閉まることがあまりないので、半開きの状態で開けておくことが可能です。
例えば、小さな子どもを寝かしつけた部屋の扉を半開きにしておくことで、起きた時に泣き声にすぐに気が付くことができます。
また、開き戸を少しだけ開けておくで、プライバシーに配慮しつつ、換気を行うことが可能です。
引き戸のメリット④間取りを柔軟に使用できる
引き分け戸や引き違い戸を室内に設けることで、間取りの柔軟な利用が可能になります。
例えば、リビングの間に引き戸を設けておくことで、普段は空調効率がよい狭い空間として利用し、来客時には開放感のある広い空間として利用するといった使い分けが可能です。
わが家の場合はリビングの畳スペースに引き込戸を採用しました。
子どもが昼寝する時や来客の宿泊時などに閉めて利用しています。
引き戸のデメリット
引き戸のデメリット①戸を収めるスペースが必要
引き戸を取り付けるためには、戸を収めるスペースが必要となります。
戸を収めるスペースは常に開けておかないといけないため、家具を置いたりすることはできません。
また、戸を収めるスペースの前面に家具を置いてしまうと、家具と戸がこすれてしまう可能性もあります。
引き戸のデメリット②戸を収めるスペースの壁面が利用できない
引き込み戸以外の引き戸の場合、戸を収めるスペースの壁面が利用できなくなります。
トラブル例
- コンセントが設置できない
- 照明のスイッチが設置できない
- 壁にものを引っかけられない
室内側の壁面を利用できないデメリットは多く、引き戸を採用する場合には廊下側に戸を収めるスペースを設けるのがオススメです。
廊下側に戸を収めるスペースを設けるデメリットは、廊下側からの景観が若干悪くなるといった点と廊下側の壁面が利用できなくなる点です。
廊下側の壁面はあまり利用しないため、実際に生活していて困ったことは特にありませんでした。
引き戸の収納スペースは廊下側に設けるのがオススメです。
引き戸のデメリット③開き戸と比べて高価
一般的に引き戸は開き戸よりも高価です。
扉の種類 | 参考価格 (カタログ価格) |
---|---|
開き戸 | 72,900円 |
片引き戸 | 96,700円 |
引違い戸 | 152,800円 |
引き分け戸 | 169,600円 |
価格を比較した製品の詳細情報はこちらからチェック
製品名:ウッドワン ピノアース
開き戸詳細:シングルドアN⁻VE(カタログP76)
片引き戸詳細:片引き戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP133)
引違い戸詳細:引違い戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP137)
引き分け戸詳細:引き分け戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP133)
引用元:ウッドワン ピノアースカタログ
家づくりはこういったひとつひとつの積み重ねで、最終的に支払う金額が決まっていきます。予算と希望とのバランスをとることが重要です。
引き戸のデメリット④引き込戸は掃除しづらい
壁と壁の間に戸を収納する引き込戸。
スッキリとした空間を演出できたり、引き戸ながら両側の壁面が利用できるのがメリットですが、「戸袋」と呼ばれる戸を収納する部分の掃除がしづらくなってしまうというデメリットがあります。
一度戸袋内に入り込んだゴミやホコリは、戸を外さないといけないため、掃除に手間がかかってしまいます。
開き戸のメリットとデメリット
開き戸 メリット | デメリット | 開き戸
---|---|
戸を収めるスペースの壁面が利用できる 引き戸と比べて安価 デザイン性が高い 小さな子どもは自分で開けられない | 半開きで開けておくことができない 扉を開ける際、前後にスペースが必要 ソフトクローズ機能が標準でついていない |
開き戸のメリット
開き戸のメリット①戸を収めるスペースの壁面が利用できる
開き戸は戸を収めるスペースの壁面側を様々なことに利用することができます。
壁面の利用例
- 窓を設置
- コンセントを設置
- 収納スペースを設置
特に扉が干渉することのない窓の設置場所としてオススメです。
一方、戸を収めるスペースの壁面にコンセントや収納スペースを設けると、扉と干渉してしまう可能性があるため、採用する際は注意しましょう。
開き戸のメリット②引き戸と比べて安価
一般的に開き戸は引き戸と比べ構造がシンプルなため、安価です。
扉の種類 | 参考価格 (カタログ価格) |
---|---|
開き戸 | 72,900円 |
片引き戸 | 96,700円 |
引違い戸 | 152,800円 |
引き分け戸 | 169,600円 |
価格を比較した製品の詳細情報はこちらからチェック
製品名:ウッドワン ピノアース
開き戸詳細:シングルドアN⁻VE(カタログP76)
片引き戸詳細:片引き戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP133)
引違い戸詳細:引違い戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP137)
引き分け戸詳細:引き分け戸(レールタイプ)N⁻VE(カタログP133)
引用元:ウッドワン ピノアースカタログ
建築費用を少しでも下げたい場合には、開き戸の採用も検討してみましょう。
開き戸でも、ガラスドアのようなデザイン性の高い扉の場合、引き戸より価格が高くなるので、ご注意ください。
開き戸のメリット③デザイン性が高い
開き戸は扉の収納側のフチがないので、見た目がスッキリしています。また、ドアの取っ手もオプションで変更できるメーカーが多く、デザインを楽しむことができます。
使用頻度の高いリビングのドアは家族以外にも来客の目に触れるドアなので、デザイン性の高い開き戸はオススメです。
開き戸のメリット④小さな子どもが自分で開けられない
開き戸の取っ手は床から90㎝~1m程度の位置にあります。
扉を開ける際には取っ手を下げて戸を押し引きする必要があるため、1歳程度の小さな子どもには簡単には開けることができません。
したがって、子どもが事故にあうリスクを軽減することができます。
引き戸の場合、扉を閉める音も静かなため、子どもが扉を開けたことに気づかず、事故やケガにつながる場合があります。
例えば
- 階段から落下してしまった。
- 玄関の土間に落下してしまった。
- 勝手に外に出て、交通事故にあってしまった。
小さな子どもが自分で開けられないというのは一見デメリットのように聞こえますが、実は事故やケガのことを考えると開き戸のメリットであると言えます。
開き戸のデメリット
開き戸のデメリット①半開きで開けておくことができない
開き戸は風の影響を受けやすいため、戸を半開き状態でキープするということが困難です。
中途半端に戸が開いていると風によって、バタンと強く閉まってしまい、不快な思いをしてしまいます。
どうしても半開きで使用したい場面では、ドアストッパーを利用するようにしましょう。
開き戸のデメリット②戸を開けるスペースが必要となる
開き戸は、戸を開く際に、前面にスペースが必要です。
そのため、戸を開けた時に人にぶつかってしまったり、扉同士がぶつかってしまったりする可能性があります。
そのため下記のような場所への開き戸の採用は、避けるようにしましょう。
チェック
- 扉の前面に人が立つような場所
- 人が頻繁に行き来するような場所
- 前面に開き戸があるような場所
開き戸のデメリット③ソフトクローズ機能が標準でついていない
標準的な開き戸の場合、ゆっくりと閉まるソフトクローズ機能はついていません。そのため、扉で手をはさんだり、バタンと勢いよく閉めてしまうことがあります。
子どものいる家庭の場合、開き戸にはオプションでソフトクローズ機能をつけておくのがオススメです。
室内扉の選び方を3ステップで解説
↓画像をタップすると拡大↓することができます
引き戸・開き戸の特徴を踏まえ、扉の選び方について、まとめました。
以下の3ステップについて解説します。
ステップ①間取りの制約があるかないか確認
扉を検討する周りの状況により、開き戸または引き戸しか採用できないという場合があります。
- 開き戸には戸を開くスペースが必須
- 引き戸には戸を収納するスペースが必須
場所によっては、そもそも選択の余地がない場合がありますので、まずはどちらのスペースが確保可能か確認しましょう。
ステップ②何を優先するか確認
扉を選択する際は以下の3つの面について、何を優先するか検討する必要があります。
- コスト
- 使い勝手
- デザイン性
例えば、総予算を明確に決めていて、少しでもコストを削減したい方は開き戸を検討するようにしましょう。安全性や使い勝手を優先し、満足度の高い扉を選びたい方は引き戸を検討するのがよいでしょう。
何を優先するかによって扉の選択が変わってきますので、優先順位について、家族で話し合う必要があります。
ステップ③チェック項目の内容を確認
それぞれ検討する扉が決まったら、チェック項目の内容を確認してみましょう。
そのうえで、特に問題なければ、採用を決定しましょう。
開き戸のチェック項目 | 引き戸のチェック項目 |
---|---|
扉を開けた時に人にぶつかる可能性はないか 扉同士が干渉しないか 扉の開く方向にスイッチやコンセントがないか 風の影響を受けやすい場所ではないか | 扉の収納スペースにはコンセントやスイッチがないか 扉の収納スペースの壁面は使えないけれど、構わないか |
もし、チェック項目で引っかかった項目があれば、両方のメリットとデメリットを比較し、より満足度の高い方の扉を選択しましょう。
【扉の種類選び】実例を元にチェック
具体例があった方が分かりやすいので、わが家の扉についてチェックしていきます。
チェックする扉
1階リビング出入口の開き戸
リビングの出入口には開き戸を採用しました。
この扉だけは、デザイン性重視で選びました。
開き戸を採用する際は、扉の開く方向スイッチやコンセントが無いようにしましょう。
扉を開きながらスイッチを押せないと、使い勝手が悪くなります。
実際に3年以上住んでみて、開き戸は子どもの「バタン」と強く閉める音がやはり気になります。
オプションになっても、ソフトクローズ機能をつけておけば良かったです。
勢いが強すぎて、背面のエコカラットにドアノブが当たってしまい、少しかけてしまいました。
また、両手に荷物を持っている時に開き戸は開け閉めしづらいことも、住んでみてから気づきました。
トータルでは見た目重視で採用した扉ですので、この扉で満足しています。
1階トイレの開き戸
1階のトイレには間取りの制約があり、開き戸を採用しました。
この扉の前面には収納スペースがあり、扉同士が干渉しないように、前面の収納の扉は引き戸を採用しました。
室内扉だけでなく、収納の扉や引き出し部分が干渉しないかも確認しておくようにしましょう。
ちなみに、トイレに開き戸を採用する際は外側に開くようにしておくのがポイントです。
トイレの開き戸を内側に開くようにしてしまうと、以下のようなデメリットがあります。
- トイレから出づらい
- トイレ内の掃除がしづらい
- 内側にスリッパが置けない
トイレの開き戸の開く方向は、とても重要なので再度チェックするようにしましょう。
1階脱衣所の引き戸
1階の脱衣所の扉は使い勝手を優先し、引き戸を採用しました。
この扉の前後は洗面台と脱衣所なので、開き戸にしてしまうと、扉を開けた際に人にぶつかってしまいます。
扉の前後に頻繁に人が立つような場所の扉は引き戸がオススメです。
ちなみに、引き戸の収納スペース前に家具を置く場合は、スペースに少し余裕を持たせていると、掃除用具が入るのでおすすめです。
2階寝室・子ども部屋・トイレの引き戸
2階の扉は使い勝手を優先し、全て引き戸を採用しました。
扉を開けた状態でも、廊下側の通行に支障がないので、トイレ掃除がしやすく引き戸にしてよかったです。
しかし、子ども部屋と寝室の戸を室内側に収納するようにしてしまったため、室内の壁面が使えなくなり、スイッチの位置が悪くなってしまいました。
照明のスイッチは部屋の入り口近くにあった方が使いやすいので、引き戸の収納スペースは廊下側にするのがオススメです。
まとめ:扉選びは扉の特徴を理解し、設置場所と要望に合った扉を採用すると◎
引き戸、開き戸の特徴を理解し、設置場所と要望に合った扉を選択することで、室内扉の選択で失敗することはありません。
今回ご紹介したフローを参考に、後悔のない室内扉を選択してみてください。
新築の室内扉で後悔したくない方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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